凪池 シリルが時折ぽつぽつと呟く場です。 ゲームの話題が中心。日常ネタもそこそこと。 ちょっとずつ、何か書いて行けるといいなあ。
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今特に連載しているものがあるわけでなし、トップ記事を削除。
で、今回の読書感想。よいこの君主論。
「小学五年生の仲良しチームの拡大・リーダー争い」というテクスチャで、
君主として君臨するにはどうしたらよいか、君主論の方法論を実例と解説を交互に出して紹介していく、というものである。
で、読んでみたんだが……お、おおぅ……?
なんというか、読み終わったあとの自分の気持ちの整理に時間かかった。
んー。んー。漫画版が爆死してた本作ですが、なるほどこれを少年漫画にするのは無理がある、な…と…。
話の目的が、「群雄割拠の状態で支配権を維持し、かつ奪うにはどうするか、君主論はどう説いてるか」を説明するためのものだから……。
分かりやすく「良い例」「悪い例」を挙げるために、脱落するやつは勝手に自滅するし、成功するやつは最適解を突っ走る。
「困難に、知恵と努力と団結で乗り切る」「挫折を糧に成長し、やがては壁を乗り越える」といったストレスーカタルシスはほとんどなく、
ひたすらに「できる子ははなからスペックが高い」「ダメなやつは何やってもだめ」か延々と描写されてく感じである。
……まあ、領土の取り合いで真正面からの殴りあいばっかするわきゃないわなそりゃ。
現実に即してやるなら、そりゃあ相手が弱った瞬間につけこむのが当たり前だし、だからこそ弱らせるために謀略から入るわな。
描写もかなりスピーディーで「誰が何を目論んでこうした結果こうなりました」がほとんど必要な分だけ書かれるのみ。キャラの掘り下げなんぞ皆無で、主人公及びライバルの側近がなんでお互いあそこまで忠誠誓ってるのかは最後まで不明である。
おかげでラストの告白シーン、覇道に破れ愛が残り覇道を捨てて愛をとった、と、こう書くといいシーンで締めではある。あるのだがそれまでの二人の情報が全くないためにノリきれない。唐突感がすごい。ってかりょうこちゃんはそんなキャラじゃ無かろう感の方が上。
りょうこちゃんの相手(名前失念(←)が、一人でそれでも耐え続けて、その彼が陥落……というところは結構来たにはきたんだけどなあ……。
つーか、ラスボスもやっぱり例に漏れず、悪手でもって勝手に自滅衰退コースというのも決着としてどうなんだと。
うん、福笑い以降のりょうこちゃんのぼんくらっぷりが、それまでの描写とあわせると非常に納得がいかない。運動会は主人公が上手く上をいったし、雪合戦はそれでも強敵の格を見せてたのに、そっから先が急におざなりになったよなあ……。
と、ストーリーとしてはここまで不満たらたらなのにも関わらず、最後まで一気に読まされちまったのである。
なんだこの作品。
いや理由は分かってる。
「分かりやすい」
その一点だ。上記の通り、君主論を理解するためには無駄な情報、描写がほとんどないため、君主たちの目的と手段がとても整理しやすい。そのため、そのあとのふくろう先生の解説がするする頭に入る。
「このあとどうなるのか」「どうやってこいつに勝つのか」ではなく純粋に「次は何を教えてくれるのか」が楽しみで先を読まされた。
物語の密度が薄いのも、そもそも40人も出されてる段階でついてくの大変なんだよ誰がつばさくんでたかしくんでりょうくんで以下略だよ!いっぺん失敗した小君主がまた出てきたって何したやつだよおめーは!この辺をみっしり書かれても正直きついわな!
その辺も理解できると。なるほど、本書の目的としてはこの形がベストに近いのか、と納得せざるを得なかったのである。
なんというバランス感覚。これは……なかなかできる所業じゃない気がする……。
あんだけ不満いっておいてなんだが、正直いまのこの気分はそう、「感動」というのが一番近い。ストーリーではなく、いい仕事を見させてもらった、という感動である。
エンターテイメントには、まだいろんな形があるんだな……!
そんなわけで非常に満足した一冊である。あくまで自分はね。
仁義なきキリスト教どうしよう。
気になってはいる。
で、今回の読書感想。よいこの君主論。
「小学五年生の仲良しチームの拡大・リーダー争い」というテクスチャで、
君主として君臨するにはどうしたらよいか、君主論の方法論を実例と解説を交互に出して紹介していく、というものである。
で、読んでみたんだが……お、おおぅ……?
なんというか、読み終わったあとの自分の気持ちの整理に時間かかった。
んー。んー。漫画版が爆死してた本作ですが、なるほどこれを少年漫画にするのは無理がある、な…と…。
話の目的が、「群雄割拠の状態で支配権を維持し、かつ奪うにはどうするか、君主論はどう説いてるか」を説明するためのものだから……。
分かりやすく「良い例」「悪い例」を挙げるために、脱落するやつは勝手に自滅するし、成功するやつは最適解を突っ走る。
「困難に、知恵と努力と団結で乗り切る」「挫折を糧に成長し、やがては壁を乗り越える」といったストレスーカタルシスはほとんどなく、
ひたすらに「できる子ははなからスペックが高い」「ダメなやつは何やってもだめ」か延々と描写されてく感じである。
……まあ、領土の取り合いで真正面からの殴りあいばっかするわきゃないわなそりゃ。
現実に即してやるなら、そりゃあ相手が弱った瞬間につけこむのが当たり前だし、だからこそ弱らせるために謀略から入るわな。
描写もかなりスピーディーで「誰が何を目論んでこうした結果こうなりました」がほとんど必要な分だけ書かれるのみ。キャラの掘り下げなんぞ皆無で、主人公及びライバルの側近がなんでお互いあそこまで忠誠誓ってるのかは最後まで不明である。
おかげでラストの告白シーン、覇道に破れ愛が残り覇道を捨てて愛をとった、と、こう書くといいシーンで締めではある。あるのだがそれまでの二人の情報が全くないためにノリきれない。唐突感がすごい。ってかりょうこちゃんはそんなキャラじゃ無かろう感の方が上。
りょうこちゃんの相手(名前失念(←)が、一人でそれでも耐え続けて、その彼が陥落……というところは結構来たにはきたんだけどなあ……。
つーか、ラスボスもやっぱり例に漏れず、悪手でもって勝手に自滅衰退コースというのも決着としてどうなんだと。
うん、福笑い以降のりょうこちゃんのぼんくらっぷりが、それまでの描写とあわせると非常に納得がいかない。運動会は主人公が上手く上をいったし、雪合戦はそれでも強敵の格を見せてたのに、そっから先が急におざなりになったよなあ……。
と、ストーリーとしてはここまで不満たらたらなのにも関わらず、最後まで一気に読まされちまったのである。
なんだこの作品。
いや理由は分かってる。
「分かりやすい」
その一点だ。上記の通り、君主論を理解するためには無駄な情報、描写がほとんどないため、君主たちの目的と手段がとても整理しやすい。そのため、そのあとのふくろう先生の解説がするする頭に入る。
「このあとどうなるのか」「どうやってこいつに勝つのか」ではなく純粋に「次は何を教えてくれるのか」が楽しみで先を読まされた。
物語の密度が薄いのも、そもそも40人も出されてる段階でついてくの大変なんだよ誰がつばさくんでたかしくんでりょうくんで以下略だよ!いっぺん失敗した小君主がまた出てきたって何したやつだよおめーは!この辺をみっしり書かれても正直きついわな!
その辺も理解できると。なるほど、本書の目的としてはこの形がベストに近いのか、と納得せざるを得なかったのである。
なんというバランス感覚。これは……なかなかできる所業じゃない気がする……。
あんだけ不満いっておいてなんだが、正直いまのこの気分はそう、「感動」というのが一番近い。ストーリーではなく、いい仕事を見させてもらった、という感動である。
エンターテイメントには、まだいろんな形があるんだな……!
そんなわけで非常に満足した一冊である。あくまで自分はね。
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はぐれ雑文書き:凪池シリルです。
現在テラネット主催のウェブトークRPG Catch The Sky にてマスター活動中。ご縁がありましたらよろしく。
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